コラム

【テーマ】第5回 2026(令和8)年以降も注意が必要です

人事・総務・経理ご担当の皆様、こんにちは!

これまでのコラムで、令和7年(2025年)の税制改正における主要な3つのポイントと、
社会保険の「年収の壁」の改正について詳しく見てきました。

最終回の今回は、これらの改正が2026年(令和8年)以降にどのような影響を与え、
会社としてどのような点に注意が必要なのかを解説していきます。

長期的な視点で、今後の実務に備えていきましょう。

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知っておきたい年収の壁と実務への影響

第5回:2026(令和8)年以降も注意が必要です

令和7年(2025年)の税制改正は、今年だけでなく、令和8年(2026年)以降もその影響が続きます。
特に、月々の給与計算や年末調整の運用、さらには一部の控除制度や退職金制度にも変更が生じます。


1. 月々の源泉徴収事務の変更

令和7年分の年末調整では、新しい税制を適用して所得税額を確定しましたが、毎月の給与や賞与からの源泉徴収については、令和8年1月1日以降に支払われるものから新しい税額表が適用されます。

また、令和8年分からは、毎月の給与計算において「源泉控除対象親族」の考え方が変わります。

  • 合計所得100万円以下の特定扶養親族・特定親族のみが「源泉控除対象親族」として月々の給与計算で扶養人数にカウントされます(給与収入のみであればおよそ165万円以下)。
  • 合計所得100万円を超える特定親族特別控除の対象者は、月々の源泉徴収では扶養人数にカウントされず、年末調整でのみ控除対象となります。これは配偶者特別控除と同様の考え方です。

この変更に伴い、令和8年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も新しい様式となり、源泉徴収簿も変更されるため、会社はこれらに基づいて月々の給与計算を行う必要があります。


2. 基礎控除の特例加算の期限

第2回で説明した基礎控除の特例加算のうち、合計所得132万円超~655万円以下の社員に適用される段階的な加算(最大30万円)は、令和7年分と令和8年分の所得税に限定された時限措置です。

令和9年(2027年)以降は、合計所得132万円以下(給与収入のみであればおよそ200万円以下)の方への恒久的な37万円加算(基礎控除額が合計95万円となる)が残ります。

※詳しくは、第2回「令和7年の税制改正の3大ポイント」をご覧ください。


3. 子育て支援策としての時限措置

子育て世帯を支援するための時限措置も、令和8年以降に影響が出てきます。

  • 生命保険料控除の計算方法の変更
    23歳未満の扶養親族がいる場合、一般の生命保険料控除の所得税における上限額が4万円から6万円に引き上げられます。
    ただし、生命保険料控除全体の合計上限額(一般・介護医療・個人年金あわせて12万円)は変わりません。
    この措置は令和8年分のみの適用です。

4. 退職金制度関連の変更

令和8年1月1日以降に支払われる退職金から、以下の変更点に注意が必要です。

  • 退職所得の源泉徴収票の提出義務
    これまでは法人役員など一部の対象者のみ提出が義務付けられていましたが、令和8年以降はすべての居住者の退職所得源泉徴収票の提出が義務化されます。

2026年(令和8年)以降の主要な変更点

項目変更内容注意点
月々の源泉徴収新しい税額表を適用。源泉控除対象親族の範囲変更(合計所得100万円超の特定親族は年末調整のみで控除)給与計算ソフトの更新と、社員の扶養控除等申告書の正確な提出確認
基礎控除の特例令和7年・令和8年で段階的な加算終了。令和9年以降は合計所得132万円以下のみ加算が継続社員への丁寧な説明
生命保険料控除23歳未満の扶養親族がいる場合、一般の生命保険料控除上限額を6万円に引き上げ(令和8年のみ)対象社員への周知
退職金制度すべての居住者の退職所得源泉徴収票の提出が義務化事務負担増への対応、退職予定者への説明準備
社会保険2~3年をめどに106万円の壁を撤廃(企業規模要件はR9~R17に段階的撤廃)制度拡大を注視し、対応準備

今回の「年収の壁」に関する税制・社会保険の改正は、多くの社員の働き方や手取り収入、そして会社の人事・総務・経理業務に影響を与える大きな変更です。

特に、年間を通じて制度が移行していくため、常に最新の情報を確認し、社員への適切な情報提供と丁寧な説明が求められます。

この5回にわたるコラムが、人事・総務・経理の皆様の業務の一助となれば幸いです。

今後も最新情報にアンテナを張り、社員が安心して働ける環境づくりのための情報発信をしてまいります。

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